足の痛みのいろいろ【足底筋膜炎(足底筋膜症)】
足の痛み・お悩みを解決するためのオーダーメイドインソールを作製します。 名古屋・長久手のあいたにインソールとからだの研究所の相谷です。
さて、またも少しブログの更新が遠ざかってしまいました。すみません…
今回は、『足の痛みいろいろ』シリーズでいきたいと思います。テーマは『足底筋膜炎』または『足底腱膜炎』です。
『筋膜』か『腱膜』かの違いですが、簡単に言えば、『足底筋膜』は、足の裏のいくつかの筋肉を覆う膜(筋膜)のことです。中でもその足の裏の中央部分の筋膜は、非常に硬く・頑丈な線維で構成されていることから、『足底腱膜』と呼ばれます。つまり、どちらも基本的には同じものであり、症状としてはほぼ同じものを示すものと考えてもらってよいと思います。
【足の臨床,MEDICAL VIEWより引用】
少し余談にはなりますが、整形外科分野の診断名に関して『~炎』というものがいくつかありますが、近年では、実は患部で炎症症状・所見がない場合もあることから、『~症』と呼ぶように提唱されている先生もいらっしゃいます。その一例でもあるのが、この『足底筋膜炎(症)』です。まだ一般的な本やインターネット上での検索ではほぼ、『足底筋膜炎』もしくは『足底腱膜炎』でしか出てきませんね…
では、この『足底筋膜炎』(以下はこれに統一して解説します)について、ご紹介していきます。
【典型的な痛みの部位】
①踵の裏側のやや内側
②足の裏の中央からやや内側、がほとんどです
【足部診療ハンドブック、医学書院より引用】
【症状】
①起床時の一歩目の痛み
②歩き始めに痛みが出やすい
③長時間歩いているとだんだん痛みが出てくる
といった様子です。スポーツ選手においては、『踵から着地するとき』や『つま先に体重がかかった』際に、足の裏・踵の痛みとして訴えられることが多いです。ただし、足底筋膜炎に関しては、腫れ(腫脹)や赤み(発赤)、熱感などはほとんどの場合見られず、踵の裏側のやや内側や足の裏(足底腱膜)の中央部に押すと痛み(圧痛)を認めることで判断されます。
また写真にように親指を反らす方向に動かしたときに、足の裏がピンっと張る、または痛いという場合も多いです。また親指や他の指の反る方向への動きが固いという方は、要注意・『足底腱膜炎』予備軍かもしれません!?
【原因】
一般的には偏平足による足のアーチの低下が原因で、踵が接地・着地する際の衝撃吸収が不安定になるためとされています。スポーツ動作では、特にランニングやジャンプ着地動作の繰り返しにより足底筋膜の付着部である踵の裏側に牽引力や荷重という圧迫力がかかりやすいためとされています。
【足の臨床,MEDICAL VIEWより引用】
※レントゲン検査の結果、踵の骨(踵骨)にとげ(踵骨棘しょうこつきょく)が見つかる場合がありますが、これについては『症状と一致しない場合も多く、診断の決め手にはならない』【足の臨床,MEDICAL VIEWより】とされています。
左図:実際の患者さんのレントゲンですが、この方は踵や足の裏に関しては全く無症状でした。赤丸が踵骨棘
右図:踵骨棘の認められない踵骨
【画像提供: さいとう整形外科リウマチ科 斉藤究 先生】
つまり、単純に言うならば、足底筋膜炎の原因は『偏平足』とされています。ですので、一般的には、インソールを作製する際、足裏のアーチを持ち上げればよいといことになりますし、それで症状が改善する方もおられます。
しかし…
実際には、『ハイアーチ』というアーチが高すぎる方、いわゆる甲高の方もこの足底筋膜炎に悩んでいる場合も多いです。この場合は、一般的なアーチを持ち上げるというインソールではかえって痛みが悪化するということになります。極端に言えば、偏平足になるようなインソールを作製する必要があるのです。
これまで私のところに来られた社会人野球の選手で長年この痛みに悩んでいた選手も、この『ハイアーチ』のタイプで、4~5種類のインソールを試したけど、痛みが変らない・悪化したというケースがありました。この選手は、ハイアーチで体重が外側にかかりすぎ、その結果、一気に体重が内側にかかるという動きのクセがありましたので、体重が外側にかからないように『偏平足』の方向になるようにインソールを作製したところ、1ヶ月もしないうちに痛みが消失したというケースがありました。
あいたにインソールとからだの研究所では、こういった一般的でない『足底筋膜炎』もその足の形や動きのクセ・原因を的確に分析・判断し、時には一般的でない形状のインソール・あなた専用のインソールを作製致します。これまでいくつもインソールを作製した、いろいろな治療をした、でも変わらない足裏の痛みでお悩みの方、是非一度、あいたにインソールとからだの研究所にご相談下さい。きっとお役に立てると思います。
本日も最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。