足の痛みのいろいろ【強剛母趾】
偏平足や外反母趾などの足のお悩みを解決する名古屋・長久手のあいたにインソールとからだの研究所 代表の相谷です。
先日まで外反母趾についてお話してきましたが、今回は、あまり馴染みのない『強剛母趾』についてお話ししたいと思います。
『強剛母趾』これは、『きょうごうぼし』と読みます。『母趾』は親指という意味でしたが、『強剛』は、固いとか固まるというような意味になります。
つまり、親指の関節が固くなるような症状のことを示します。
ここで、外反母趾との違いについて確認してみましょう。
外反母趾では、親指の付け根の関節(MP関節)が、外側へ曲がってしまうものでしたが、強剛母趾では、外に曲がるようなことはあまりありません。
そして、特にここが大きな違いですが、
外反母趾では、指の向きが曲がってしまいますが、曲げ伸ばしが制限されることは少なく、それなりに曲がったり、伸ばす(反らす)ことが可能です。強剛母趾では、その名前の由来通り、曲げ伸ばしがしにくくなり、いわゆる可動域制限が生じます。この原因は、『関節の変形』です。つまり、関節内が腫れたり(腫脹)、関節の隙間が狭くなったり(関節狭小化)、骨のとげ(骨棘)ができたりして、結果的に、可動域制限が生じるのです。外反母趾では、特に関節内の変形・狭小化は起こりません。
『強剛母趾』レントゲン写真
左図:親指の付け根の関節の隙間が狭くなっている(関節狭小化)
右図:関節付近に骨のとげ(骨棘)ができている
反ったり・曲げたりが動きにくくなる
『外反母趾』
親指が外に曲がっているが、付け根の関節の隙間は狭くなっていない(右レントゲン図)
【足の臨床、MEDICALVIEWより引用】
この関節に変形が起こる原因としては、ケガの影響(外傷後)や遺伝的要因・歩き方・肥満・履物などさまざまな原因が考えられていますが、実際のところ、原因は不明とされています。
強剛母趾の主な症状としては、特に関節の腫れに伴う痛み、歩くときや曲げるときに痛い(運動時痛)が挙げられます。
ですので、もし、親指の付け根の関節が歩いたり、指を曲げ伸ばしすると痛くて、でも外反母趾のようにあまり外側に曲がっていないんだけど…という方、一度整形外科などを受診し、レントゲン写真による検査を受けることをお勧め致します。その症状とレントゲン写真からすぐに診断はつきます。
一般的な治療としては、湿布や服薬、関節内注射などで経過を見ていくことになります。ただし、炎症や歩くときの痛みが軽減しても、動きがなかなか改善しないという場合もあります。この場合、完全に関節が変形し、可動域が制限されてしまう場合もありますが、その関節周囲の筋肉・筋膜が固くなり動きを制限している場合も少なくありません。こういった場合は、ポイントを絞った対応で改善が可能な場合があります。
実際に先日、あいたにインソールとからだの研究所にこられた方の動きの変化を紹介します。
【施術前】
施術前は、親指が曲がらず痛みのために踵にお尻がのせられない状態でしたが、施術後は親指の曲がり(反り)が改善し、踵にお尻がつくようになりました。
この強剛母趾に関しては、炎症が治まった状態であれば、あいたにインソールとからだの研究所の『からだメンテナンス』で改善可能なことが多いです。
是非、外反母趾のように親指は曲がっていないけど、歩くと痛い・曲げ伸ばしがなんか固い・痛いという方、是非一度、あいたにインソールとからだの研究所にご相談下さい。
(状況や場合により、医療機関の受診をお勧め(医療機関のご紹介)をする場合もありますので、ご了承下さい。)
本日も、最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。
【参考文献】足の臨床、MEDICALVIEW